キミへのドライブ
「だからそれは誤解で…」
『何が誤解なんですか!あんなに楽しそうにお喋りしてたじゃないですか!」
「いや、だって久々に会ったものだからつい…」
『つい、じゃないですよ!私という人がいて…!』

 はぁ、と心の中で何度目かの溜息をついた。
 元白薔薇さま、佐藤聖はただいま電話で祐巳と絶賛ケンカ中である。
 …と言ってもほとんど一方的に聖が捲くし立てられているのけれど。
 何でこんな事になったのかというと、原因の始まりは午前中にまでさかのぼる…。

―――――――

 PLLL……
「う〜ん…こんな朝っぱらから電話…?もうちょっと寝かせてよ〜…。」
 快眠を妨げられ、朝早く(と本人は思っている)突然鳴り出した携帯電話にブツブツ言いながら電話に手を伸ばし通話のボタンを押した。
「ふぁーい…もひもひぃ…?」
『…聖、あなたまだ寝てたの…?もう10時過ぎよ?』
 あくび交じりのもしもしに突っ込みを入れる、電話の相手。
 どこかで聞いた声だ、と一瞬思ったがすぐに名前を思い出した。
「…蓉子?久しぶりー。元気してた?」
『ええそりゃあもう。手の掛かる友人がいなくなったからね』
「うわ、酷いなー。で、その手の掛かる友人に朝早くから何の御用?」
 口ではこう言いつつもやはり懐かしさや愛おしさがこみ上げて来る。
 そのため顔も自然に笑顔へと変わっていった。
『だから全然早くないって…。あのさ、友達と映画見に行こうと思ってたんだけど今朝キャンセルの電話があって…。
で、チケットが一枚勿体無いから良かったらどうかな、と思ったんだけど』
「ふ〜ん。…って、それってデートのお誘い?困ったな〜私は祐巳ちゃん一筋だしいー。」
『じゃあいいわよ』
「え、ちょ、そんなあっさり…建て前でももうちょっと引っ張るのが礼儀でしょ?」
『へぇ、あなたに礼儀なんてものを教えられるなんて思いもしなかったわ』
「…あのさ、ケンカ吹っ掛けて来るんだったら切るよ?」
『冗談よ冗談…まぁいいわ。で、どうするの?』
「そーだねー…」

 思えば、ちょっと魔が差したのかもしれない。
 たまにはちょっとしたスリルを、なんて。今思うとバカ過ぎて呆れてしまう。

「行くわ。大きな予定無いし。」
『了解。じゃあ、一時ぐらいにあのM駅前ね?』
「ラジャ。」

 そして約束通り、蓉子と二人で映画を見に行った。
 内容は思ってたよりもなかなか良く出来ていて面白かった。
 その後は懐かしさや久々に会ったということもあって近くの喫茶店で他愛もないことを談笑し合った。
 映画の感想、新たな生活、高等部での昔話…本当に他愛もないことだったが、気付けば大分時間が経っていた。
「あら、もうこんな時間。そろそろ帰ろうかしら。」
「え、あ、ホントだ。もうこんなに過ぎてる。」
 蓉子が立ち上がったので聖もつられるように立ち上がり、会計を済ませて喫茶店を後にした。
 黄昏時の駅前。どことなく寂しい雰囲気を醸しだしている。
「それじゃあ、そろそろ失礼するわ。」
「ん。それじゃ。誘ってくれてありがと。」
「どういたしまして。そういえば、聖、ちゃんと上手くやってる?」
「え…?ああ、祐巳ちゃんのこと?もうバッチリ。幸せすぎて怖いぐらい。」
「ふふ、そう。よかった。」
 思わず顔がにやけてしまう。自分でも分かるくらいだから、他人から見れば相当にやけているのだろう。
「それじゃあ。これからも仲良くね?ごきげんよう。」
「言われなくても。ごきげんよう。」
 蓉子が手をヒラヒラと振って背を向ける。それに同じように聖も手を振った。
「…相変わらず昔と変わってないな。 ……?」
 気のせいだろうか。どこかから視線を感じる。
 誰かいるのか、と、ざっと辺りを見渡してみたが特に目につく人物はいない。
 というか人が多すぎて検討が付きそうにもなかった。
「…気のせいかな。」
 その時はそう思ってその場を後にした。

 それが気のせいじゃなかったと知ったのはその日の夜のことだった。


 その夜10時頃


 PLL PLL PLL… ←微妙に違う
「おっ、この着メロは祐巳ちゃんだ。」
 聖がお風呂からあがってまったりしていると携帯の着メロが部屋に響き渡った。
 ちなみに、着メロは祐巳からのだけ変えてある。
 嬉々とした様子で携帯を手に取って通話のボタンを押す。
「ごきげんよー祐巳ちゃん。今日は会えなくて寂しかったよ〜。」
『…はぁ、すいませんでした。家の用事があったもので。』
 聖の浮かれまくった口調とは対照的に祐巳の口調は冷たい。
 不機嫌というのがこれでもかと伝わってくる。
 そのことには聖もすぐに気がついた。
「あれ、どうしたの祐巳ちゃん。何かあった?」
『…単刀直入に聞きますけど、夕方頃M駅近くにいませんでしたか?…蓉子様も一緒に。』
 その言葉に冷水を浴びせられたような気分になった。
 あの時の視線は祐巳ちゃんだったのか…後悔先に立たず。気付かなかった自分を呪った。
「いや、あれはただ蓉子がどうかって誘ってくるものだから…。」
『何で一言でも私に言ってくれなかったんですか!?電話の一本でもくれたらいいのに!』
「それは…」

―――――――

 そして冒頭に戻る…。

 かれこれどれくらい電話してるのだろうか。結構な時間が経った気がする。
 祐巳はああ見えて結構嫉妬深いタイプで、こうなるとなかなか機嫌を直してくれない。
 色々と言い訳や弁論をしているが祐巳はなかなか聞き分けてくれない。
 ああだこうだ言ってるうちに頭に血が上りすぎたのか、はたまた言い訳で急に頭を使い過ぎたのか段々頭の中が混乱してきた。
 もう自分が何を言ってるのかも分からない。
 そして言ってはいけない言い訳が。
「だからちょっと魔が刺し…あっ…」
 途中で口を止めたものの時既に遅し。その一言でお互いの受話器から耐えがたい沈黙が流れてくる。
 心なしか部屋の温度が2、3度下がった気がする。
『…そう、ですか。』
 先に沈黙を破ったのは祐巳だった。だが、その声は初めの時よりも冷たい。
「あっ、祐巳ちゃん!これは違」

 ブツッ ツーツーツー…

 受話器から聞こえてきた応答は祐巳の声ではなく、静かに電話を切られた音。
「………」
 だらん、と受話器を持った手が下に垂れた。それに連動するかのように顔から血の気が引いていく。
 どうしよう。どうする。何をする。どう許してもらう?
 どんな堂々巡りをしているときに目の前のテーブルに置いてある車のキーが目に付いた。
「…行こう。」
 聖はキーと財布を取ってすぐに立ち上がり、サンダルを履いて外へ飛び出した。
 私の愛車、お世辞にもそうそう馬力があるとは言えないがドライブするには申し分無い。
 祐巳を乗せて謝罪のドライブ。
 それで許してもらえるかは分からないが、そうでなくても直接話し合って少しでも祐巳の機嫌を直さなくては。
 扉を開け車のキーを刺しこみエンジンを掛けた。
 ブルンブルン、とこちらのご機嫌はまぁまぁだ。
「祐巳ちゃん、今行くよ!」
 アクセルを踏み込み、聖の車は祐巳ちゃんの家へ走っていった。


「…さて、どうしたもんか…。」
 家を出てから程なくして祐巳の家まで来たものの、どう誘い出して良いのか分からず家の前をただうろうろと歩き回っていた。
 忘れたわけじゃないが二人はケンカ中。
 挙句の果てには今は十二時近く…祐巳の部屋にはまだ明かりが灯っているものの、近所の明かりも大体が消えている。
 こんな時間に来るなんていったい何考えてるんですか、とか言われて帰されたりする可能性も十分高い。
「『ゆーみちゃん、これからドライブにでも行こうか!』…ダメダメ。こんな軽かったらますます怒らせちゃう…。
『こんな時間だけどちょっと付き合ってくれない?』…いや、ちょっと偉そう過ぎるかな…。」
 色々誘い文句を考えて見るもののどれも今ひとつパッとせず、あーでもないこーでもないと頭を使い続けていた。
 それにしても、この数時間で今までに無いほど頭をフルに使っている気がする。
 講義中やレポート作成でもこれほど頭を働かせた事は無いだろう。
「あーどうしよう、自分のバカ!」
「…さっきからそこで何ブツブツ言ってるんですか。」
「何ってどうやって祐巳ちゃんを誘おうかと…ってうわぁ!?」
 声の方を向くと寝巻きで髪を下ろした祐巳ちゃんが玄関を開けて自分の方を怪しいものでも見るかのような目で見つめていた。
 色々考えていたせいで気が付かなかった。
「車の音がしたので窓からのぞいたら聖さまが家の前をうろうろしてて様子を見てたんですけど…。どうしたんですか?」
 電話の時と比べればいくらか落ち着いているもののやはり口調は少し冷たい。やっぱりまだ怒ってる。
「いや、あの、大した用じゃないんだけど…。」
「じゃあ今日はお引き取りください。夜も遅いですから、不審者と間違われますよ。」
 うわ、言い方は違うけど大方予想通りのことを言われちゃったよ。
 祐巳はそのまま踵を返すと家に入ろうとしたが、それを聖が声で制した。
「あ、ちょっと待って!」
「なんですか?」
「よ、良かったらドライブ行かないかな?」
 結局口に出たのはオーソドックスな言葉になってしまった。
「こんな時間に、ですか?」
「うん、今なら空いてるからスイスイ行けると思うよ。だから、どうかな?」
「どうかなって…。」
 祐巳は少し困った顔をした。脈あり、と聖は判断を下した。
「ね?それに、少し話したいこともあるし…。」
「それは…。」
 少し真剣な顔をした聖に祐巳も心を動かされたらしく、さらに困ったような顔になった。
 あと少し、と聖が思ったそのとき。
「行って来れば?母さんには行っておくから。」
 気になったので見に来たのだろう、そう後ろから姿を現したのは祐麒だった。
 おまけに援護射撃付き。
「行って来いよ。祐巳だって話したい事があるんだろ?」
「ん…わかったわよ…。」
 半ば渋々、といった感じだが祐巳は聖の誘いにOKの返事をだした。
 それから祐巳は部屋で簡単に着替えてから聖の元へとやってきた。
「それじゃ、行こうか。」
「…はい。」
 …目は合わせてくれないが。
 ぶっきらぼうにそれだけ言うと祐巳は助手席に乗り込んだ。
 聖も運転席に乗り込もうとしたが、その前に玄関の祐麒に親指をグッと立てた。
 援護射撃の感謝の印である。それに応えて祐麒も同じように親指をグッと立てた。
(サンキュ、祐麒。)
 心の中でそう呟いてから聖も運転席に乗り込んだ。
「じゃあ祐巳ちゃん、どこ行こうか。リクエストはある?」
「…無いです。」
「な、無い…か…じゃあ海でもいい?夜の海ってのも、なかなか良いよ。」
 海なら高速を使って一時間ぐらいで付く。ちょっとしたドライブならそれでも結構なものだろう。
「わかりました、それでいいです。」
「うん、了解。じゃあ行くよ。」
 エンジンを掛け、いざ発進。
 車は聖と祐巳を乗せて走り出した。

 …………

「…あの、祐巳ちゃん?」
「……。」
「…そこにあるCDとか、自由に掛けていいよ?」
「……。」
「…ガムでも食べる?」
「……。」
「…あの、祐巳サマ?起きていらっしゃいますか?」
「…一応起きてます。」
 聖はさっきからずっと低姿勢で祐巳の顔色を伺いながら話しかけていた。
 しかし、それにはあまり反応を示さず顔はずっと窓の外へと向いたまま。
 聖が前に目を向ければそこにあるのは無数のライト。
 それらは一定の距離を保ったままほとんど動こうとしない。
(こんな時に渋滞なんて…本当についてないや…。)
 家を出発して、高速道路に乗るまでは良かった。
 それまでは聖の予想通り道はガラガラに空いていてスイスイと走ってこられた。
 だが、高速道路に乗って少し走ったところに設置してあった電光掲示板には「渋滞」の文字。しかも結構長い。
 はじめて見たときは思わず頭を抱えてしまった。
 計画通りなら高速道路を飛ばして流れる美しい夜景で祐巳の機嫌も少しでも良い方向へと向かうはずだった。
 だが、現実は渋滞に引っ掛かり高速道路をぶっちぎるどころか動きも取れやしない。
 これではますます機嫌が悪くなるに決まっている。
 現に、隣の祐巳からは不機嫌のオーラがムンムンと漂ってきていて、心なしか出発の時よりも強くなった気がする。
「…ひょっとしなくても怒ってる…よ…ね…?」
「……。」
 返事は無い。だが、それが一番気持ちを表す返事だった。
 その無言のプレッシャーで気持ちがますます焦るものの、解決策は見つからない。
 ドライブを止めようにも、高速道路だからバックも出来ないし、Uターンして下り車線に出る事だって出来ない。
 もうここまで来たら引き返せないのだ。
「…祐巳ちゃんてばぁ…。」
 半ば泣き声(半分演技、半分マジ)状態で祐巳にもう一度話しかける。
 すると、今まで外を向いていた祐巳の顔が前の方へと向いた。
「…前、開いてますよ。」
「へ?」
 指摘されて前を向くと確かにいつの間にか車一台分ぐらいのスペースが開いていた。
 だが、アクセルを踏もうとしたところで隣車線の車が割り込んできてしまい結局そこに入ることは出来なかった。
「ああ、しまった…。」
「…聖さま。」
「…はい。」
「私のことはいいですから運転に集中してください。」
「…分かりました…。」
 もううな垂れるしかなかった。
 機嫌を取るつもりがますます機嫌を悪くさせてしまい、やることやることが裏目に出ている気がする。
 これ以上話しかけるとますます裏目に出そうな気がするので、言われた通り運転に集中することにした。
 …それにしても、と聖は思った。
 浮気(ということにしておこう)の現場を見られ、言い訳で「魔が刺した」と口走り、
機嫌を取りにドライブに誘ったら渋滞に巻き込まれ…。
 思い返すと今日は厄日だったのではないかと気がしてきた。

「ふぁ…あ…。…祐巳ちゃん?」
 渋滞の中の運転に集中し始めて三十分ほど経ったころ、祐巳は既に眠りについてしまっていた。
 ちなみに前のは聖のあくびである。
 時計は今2時半…世間一般ならとうの昔に眠りについてる時間である。祐巳が眠っていてもなんらおかしくは無い時間帯だ。
 そして、運転している聖にも同じように睡魔は掛かってきている。
「…寝ちゃったか…。…涙?」
 暗くてよく分からなかったが、よく見ると祐巳の頬にライトで両目から流れた筋が光を反射していた。
 さらに注意してみるとその表情も怒っている、というより悲しんでいるように見える。
「…ごめんね、バカな恋人で。」
 今になって、心底申し訳無い気持ちになってきた。
 もっと祐巳ちゃんの身になって考えて行動するべきだったと、今更ながらに後悔した。
「…よっし、最後まで気合入れていくか!」
 眠気覚ましのガムを2粒口に放り込み自分に気合を入れた。
 祐巳に目が覚めるまでには海に着こう、そう一丸発起し、自然とハンドルを握る手に力みなぎってくる。
 ……とは言え渋滞では動きようも無いのだけども。

 ………

「祐巳ちゃん、祐巳ちゃん。」
 一丸発起してから数時間…やっと高速を降り、下道を通って何とか海にたどり着いた。
 もう既に東の方の空は明るくなってきている。
「…ん…聖さま…?」
「おはよ。海に着いたよ。」
「海…。着いたんですか?」
「うん。外に出ようか。」
 隣で眠っている祐巳を揺すって目を覚まさせてから聖は車から降り、それと同じぐらいのタイミングで祐巳も車内から降りた。
 長時間同じ姿勢での運転でガチガチに固まった体をう〜ん、と伸ばしてほぐす。
 そうしてる間に祐巳は聖を置いて砂浜に下りて行ってしまい、聖もその後を追っかけていく。
 海岸に下りてみると人影は祐巳と聖以外は全く見当たらない。
 祐巳は砂浜の上に腰を下ろし、聖も少し迷ったが恐る恐ると隣に腰を下ろした。
「……。」
「…祐巳ちゃん。」
「……。」
「あの…ごめんね…。その…蓉子のこと…。」
「……。」
「それに…こんなドライブになっちゃって…。」
「……。」
「あの…ホントに、ごめん…。」
「……。」
 沈黙が痛い。
 今までのことを謝罪してるものの、祐巳は海の方をただ眺めているだけでこっちを向いてくれない。
(…どうすればいいんだろ…。)
「聖さま…。」
 どうしよう、と考えてたら不意に祐巳が口を開いた。
「何?」
「…私って、やっぱり子どもっぽいですか?」
「え…どうして?」
「…聖さまと蓉子さまは仲が良い…親友だって、分かってたはずなのに…その…勝手にヤキモチ焼いちゃったりして…。」
「祐巳ちゃん…。」
「頭では分かってたんですけど…。感情が押さえられなくって、あんな事を…。」
 あんな事…あの電話でのケンカのことだろう。
「今更ですけど…聖さま、ごめんなさい…。」
 膝に顔をうずめて今度は祐巳が聖に謝った。そんな祐巳を聖はそっと抱きしめた。
「…私も悪かったよ。祐巳ちゃんのことも考えないで…。ごめんね…。」
「そんな、勝手にかんしゃく起こした私が悪いんです…。」
「いや、そんなことないよ。」
「そんなことあるんです!」
「ないって!」
「あるんです!」
 いつの間にか今度は自分に責任があるとお互いに譲らなくなってしまった。
 どちらとも自分が悪いと決め付け、またケンカが起こりそうな状態に。
「……。」
「……プッ。」
「あははは!」
「あはははは!」
 うー、と睨み合いの状態に入ったものの、二人ともすぐに可笑しくなって思わず噴き出してしまった。
「あはは…じゃあ二人ともお相子ってことでいい?」
「はい。…それでは一緒に…。」
「ごめんなさい。」
「ごめんなさい。」
 二人の「ごめんなさい」が綺麗に合わさり、次に二人の唇が重なった。
「あ…ほら、見て。太陽が昇ってくるよ。」
「えっ。」
 言われて海のほうを見てみると、水平線の向こうから太陽の端が現し始めていた。
 そしてそれは徐々に姿を現し、周りを明るく染め始める。
「綺麗…!」
「日の出を見たのって久しぶりだな…。」
 二人とも身動きもせずに日の出にすっかり魅入られてしまっていた。
 雲一つ無い快晴。非常に美しい朝日だ。
「…渋滞に引っ掛かってかえって良かったかもね。こんな綺麗な日の出が見れたんだから。」
「そうですね。…聖さま。」
「ん?」
「…ドライブに誘ってくれて、ありがとうございます。」
 ギュッと祐巳が笑顔で腕にしがみついてもたれ掛かってきた。
 その祐巳を見て聖は心に決めた。

 もう浮気なんて絶対にしない、と。


あとがき


レッツ、へタレ聖さま(謎)
カッコよくて頼りがいのある聖さまも、
哀愁漂う聖さまもいいけれどこういうへタレた聖さまもいいと思う(笑)
何か文章的に竜頭蛇尾な気がします…。
精進せねば。


SSモデル:キミへのドライブ(ポルノグラフィティ)
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